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平和学の授業から(3)

 
受講生の皆さんに毎回、意見や感想、質問を書いてもらっているのですが、「池尾」はどう思っているんだ?と聞かれることがたまに(よく?)あります。それらのすべてにお答えできるかどうかはわかりませんが、いくつかを選んで書いてみます。
なお、ここに書かれた私の回答は、現時点での考えであり、私もまだまだ勉強不足ですので、このHPをみて、受講生以外のさまざまな方からご意見をいただくなかで、「なるほど」と思わされることも出てくると思います。そのときにはまた、そのときに、ご意見をありがたく傾聴させていただきたいと思います。
 

 

沖縄の基地に関して

 
Q1:民主党政権時代に、鳩山元首相が「最低でも県外に」と言いつつ進展はなく、結果的には日米関係の悪化と沖縄市民の方々の大きな失望を招きましたが、池尾先生はこのことについてどのようにお考えですか? どの政党も沖縄基地問題を解決することは不可能なのでしょうか。
 
鳩山元総理が、普天間飛行場のある地元・宜野湾市民会館での講演で、首相当時の状況を振り返りながら沖縄の人に詫びる内容のお話を聞きにいったのですが、そのときもどうもしっくりこないというか、納得できないものがありました。
防衛官僚や外務官僚のみならず、同じ内閣の閣僚からも見放されて、結局は、辺野古への「移設」を受け入れざるを得なくなったとの説明がなされます。私もその点については、なるほどと思う場面もあります。しかし、そのことが結局、今の日本の政局に与える影響というものを、本人ご自身のみならず、当時の民主党議員たち(今は、特に立憲民主党におられる議員たち)は十分に考え、当時の状況を議員の方々一人ひとりが反省し、説明してほしいという気持ちがあります。なぜなら、結果として、民主党政権から自民党政権に帰り戻ったとき、「もう野党に政権をまかせておくことはできない」と多くの人々が思い、消去法的な選択で自民党政権を選ぶしかないという「社会の雰囲気」が醸成されてしまった結果、政権交代の可能性が失われ、日本の政治が腐敗や堕落してしまったと考えるからです。
野党連合を組むことによって、新たな政権交代の可能性を見出そうと現在しているわけですが、<自民対野党>の構図は、「小さな政府」をめざすリベラル対社会民主主義的なものをめざす(ある程度の「大きな政府」を覚悟し、社会保障制度の充実をはかる)といったものですが、防衛政策に関する限り、もし野党「共闘」になれば、間違いなく防衛政策では意見が食い違うはずですから、現状維持(すなわち米国依存に加えて自衛隊増強路線)になるはずです。そのとき、沖縄の基地問題に関してもオルタナティブは出し得ないのではないか、と思っています。
(このあと、少し、文献などで補足したいと思いますが、今はこの程度ですみません。)
 

集団的自衛権の限定的行使容認について

 
Q:憲法第9条についてですが、安倍前首相が集団的自衛権の解釈を変えたとき、当時の私は、へー。としか思っていませんでした。しかし、高校や大学で政治や平和学を学ぶ中でこのことが大きい意味を持っていたことを知りました。私が疑問に思ったのは、集団的自衛権が使えるようにする、といった大きな変更を憲法改正ではなく解釈の変更だけで終わらせていいのか、という点です。これほど重要な事柄を解釈のみで変更できてしまうと民主主義が崩れていってしまうのではと危惧しています。平和学の研究者として、安倍前首相の解釈変更をどのように感じましたか?
Q:ひとつ質問ですが、先生は安倍元首相が憲法解釈を拡大させたことについて、どう思われましたか?当時ニュースを追っていても、賛否両論あった記憶があるので、先生の意見を聞きたく思いました。
 
(近日中に書きます。)
 

イデオロギーについて

 
右派が自由主義だとは知らなかった。確かに資本主義なので、その点は社会主義傾向のある左派より自由なのだろう。アメリカと比べると日本の政党はすべて(?)左寄りだと聞いたことがある。 自由の国アメリカはゴリゴリの資本主義なイメージがあるが、これはアメリカが右寄りであることと結びつけて考えられようか。
 
これについては、解説動画を作って説明します。(講義でリベラリズムの話までいったときに取りあげます。)
 
 
日米同盟が解消されて自衛する場合と現在のようにアメリカの駐屯とではどちらが費用がかかるのかと疑問に感じた。
 
参考文献を紹介しておきます。
 
核ミサイルを保有している国々は、どれだけの量の核ミサイルを保有しているのか公表しているのでしょうか。映像で、具体的な数値が出されていたので気になりました。
 
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)というところが毎年、SIPRI年鑑というものを発行しています。これは、各国が毎年公表する防衛白書をもとにして作成されたものです。中国など、情報を公表していないところについては推計になっています。
立命の学生は、衣笠図書館に入っています。龍谷の学生は、深草の社会科学研究所にあります。近大も中央図書館5階の開架にあります。(私が担当している他の大学にはありません。)でも、SIPRIのHPから、同様の情報にアクセスできます。
 
 

若者の政治への関心はあるのか?

 
今の日本は、特に若者は政治について学ぶ機会があまりないように感じるのですがどう思いますか?
 
 

日本のゆくえ

 
日本の経済破綻も近くなっているのでは?と私は推測しているのですが、先生はどうお考えでしょうか?